不器用でもすぐできる「ビジョントレーニング」

ビジョントレーニングを実施したところ
動きの巧緻性、連続性が即時的に 向上した事例を、学会発表しました。
理論と効果をここに紹介します

【学会名】第42回日本臨床運動療法学会 【発表日】令和5年10月15日
【発表者】〇村上友香理※1※2、加藤翼※1、黒瀬聖司※2、木村穣※2 ※1AKIDSラボ ※2関西医科大学健康科学

子どもたちの中には、ノートの枠から文字がはみ出る、文字の大きさがバラバラで見にくい、という子がいます。また、文字を写すのが苦手な子もいます。鉛筆の持ち方や使い方がぎこちない、自分で爪を切るのが難しい、など手先の細かい作業の苦手さがある子もいます。その背景には、視覚情報の処理や、身体各部を協応させて動かす機能につまずきがあることが考えられます。

読み書きや、手先の細かい作業をするとき、見ようとする対象物を目で追ったり、視線を固定しなくてはなりません。ところが、それがむずかしいため、板書のときには頭を動かしたり、ノートと黒板を交互に見ると、視点が不安定になり、どこを見ていたのかわからなくなってしまう、ということが起きてしまいます。

さらに、爪を切るというときには、目で見た情報から正確に手を動かす、目と手の協応性が必要になります。

目の動きには、2つの種類があります。
対象物から目を離さず追いかける
見ようとする対象を一か所からほかのところへ一気にとばす

そこで、これらの目のうごかしかたをトレー二ングするために、光ったランプをてのひらでタッチする遊び運動を約10分間おこないました。トレーニングにより視覚情報をもとにした4つの機能が向上しました。
視覚情報に基づく4つの機能が向上

自閉症の子どもにとっては、目のうごかしかたを楽しみながら練習することで、集中しやすくなりました。課題がうまくできるようになると自信がつき、意欲的になるという心理的変化もみられました。

AKIDSは、発達障害をもつ子どもの日常生活のつまずきの背景要因をひとつずつ整理し、ひとりひとりの特性にあったトレーニングが取組めるよう、これからも精一杯支援していきます。

We made a conference presentation about Vision Training Interventions for Autistic
Child at JAETP annual meeting.

Our training approach includes two practices with demanding visual perceptual and
oculomotor tasks.
•Follow an object without taking your eyes off
•Move your eyes instantly from one place to another

Ten minutes training enhanced visual tracking ability and performed better on
measures of motor coordination.