わかってほしい、自閉スペクトラム症のこと

もうすぐ、自閉症啓発デーですね。世界各地で自閉症の理解を促進するイベントが開催されます。この「自閉スペクトラム症」の特徴は、ひとりひとり多種多様で、発達段階に応じても表われ方が異なります。

         ※参考文献:一般社団法人日本自閉症協会『自閉スペクトラム症(ASD)について学ぶ』

 

代表的な特徴は、上記のようなものが挙げられます。できるかぎり早期から適切な支援を受けることによって状態が改善することも期待され、早期診断・早期教育による適切なコミュニケーションの獲得は、たとえ単純なコミュニケーション手段であっても、有効なコミュニケーション手段を身につけていくことで、問題行動の軽減や予防に効果がある、といわれています(Howlin1998)。

文部科学省は「自閉症とは、3歳くらいまでに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である」としており、幼児期に過ごす環境が子どもにとって与える影響はとても大きいと考えられます。

自閉症児の支援に際しては、本人自身が課題を理解でき、見通しが持て、更に達成感が持てれば支援が進み、課題が達成されると言われています。

先行研究では、対象児が共通して困難であった課題(頭の上に週刊誌をひろげて落とさずに数歩歩ける)において、対象児がいままで頭にものを載せたことがない(経験不足)、触れられることへの嫌悪感(触覚防衛)、要求されていることへの理解の困難さ等の影響を考慮し、要求されていることの伝え方や指導の流れに予測を持たせ、わかりやすい形をとるといった工夫を加えたことによって課題が達成でき、概ね改善が得られた、という報告があります(末光ら1996)。

このことは、本人の理解に応じたプログラムをスモールステップで進め、子ども自身が見通しを立てられ、達成感が持てるようなプログラム作りが必要であることを裏付けています。

加えて、その研究結果では、領域差はあるものの運動・感覚分野だけでなく、言語、社会性分野にも一定の伸びが確認されています。プログラムに注意力、集中力、目的指向性を促進する課題を取り入れたことや、感覚運動を介して座る・立つ・歩く・走る・投げる・掴む等動作に合わせて言葉を使ったことが、言語・社会性の伸びを促進したと考えられています。

自閉症児の療育は、対人関係や言語・認知面に力点が置かれた支援とともに、不器用の困りに対する運動分野への取り組みも重要とされます。AKIDSはこれらの研究成果を踏まえプログラムを構成し、自閉症児の苦手とする時間・空間の概念化、運動を通しての言語の促進等、全体的な発達のために、個々に応じた継続支援を必要かつ有効な方法と考えています。

For autistic children, rehabilitation and education should be focused on interpersonal relationships, communication, and cognitive skill as well as the motor function area to problemes with clumsiness.
AKIDS believes that personalized small-step support is effective and should be continued for the
overall development of autistic children, including the conceptualization help of time and space,
which they often have difficulty with, and the promotion of communication through the exercise.